『古代文学』41〜50号

『古代文学』50号

〈特集 〈型〉のダイナミズム ―古代文学の普遍と固有―〉
穂村 弘「二種類の言葉」

岡部 隆志「定型論の試み」

兵藤 裕己「琵琶法師のものがたりと儀礼」

遠藤 耕太郎「性原理を超越する同性間の共感 ―人麻呂挽歌の生成をめぐって―」

伊藤 聡「中世における古代神話の継承と変容」

谷口 雅博「「風土記」の異類婚 ―始祖を語る〈型〉―」

渡辺 秀夫「詩歌の発生論と〈型〉  ―「古今集序」の理解をめぐって―」

太田 善之「打ち消される典故  ―懐風藻の〈型〉―」

津田 博幸「引用と変形」

松田 浩「人麻呂歌集「月船」歌の表現 ―漢語の見立て表現と訓読―」

村本 春香「「類」を導入する『萬葉集』の左注」

吉田 修作「アメノウズメの〈あそび〉と「舞」 ―儀礼・芸能の〈型〉の創出と継承―」


稲生 知子「『古事記』にとっての倭武命 ―「言葉」をめぐる問題から―」

岩田 大輔「崇神紀における三輪山宴歌の意義 ―紀一五番歌を中心に―」

(2011年3月1日発行)

『古代文学』49号

〈特集 古代文学と場所(トポス)〉

山本 ひろ子「聖なる磁場の創出 ―神楽における神霊出現の様式をめぐって―」

増尾 伸一郎「〈海中なる博大之嶋〉考 ―常世・蓬莱・竜宮・ギライカナイと洞天福地―」

新川 登亀男「「飛鳥寺」表記の出現と「飛鳥」の意味」

山下 久夫「「トポス」への変換 ―平田篤胤の場合―」

阿部 泰郎「霊地を巡る女人 ―『とはずがたり』の道行と伊勢―」

保坂 達雄「女の流理と女神の生成」

北條 勝貴「ヒトを引き寄せる〈穴〉 ―東アジアにおける聖地の形式とその構築―」

大浦 誠士「「いにしへ」の見える〈場所〉」

兼岡 理恵「変容する「地名」 ―風土記記載の方法―」

山口 敦史「冥界の王宮 ―『日本霊異記』の説話から―」

池田 三枝子「〈自然〉をつくる ―宮都造営の表現―」

飯泉 健司「つくられた地形 ―破壊が生む聖地―」

飯田 勇「「春の野」と「春日」 ―文学と政治とトポス―」

山本 大介「「安楽国」と「日本国」―『日本霊異記』における天皇と自土意識―」

渡部 亮一「法界が顕現させるもの ―仏教修行者にとっての「異界」―」

(2010年3月1日発行)

『古代文学』48号

〈特集 神話を考える〉
佐藤 壮広「共苦のスピリチュアリティ ―沖縄の民間巫者の身体とシマの痛み―」

岡部 陸志「極私的神話論 ―笙野頼子『金比羅』を読む―」

小川 豊生「神話の建立 ―「偽書の中世」を超えるための方法序説―」

山口 敦史「「蘇民将来」論 ―経典と注釈―」

安藤 礼二「石が語る ―南方熊楠「燕石考」の神話論理―」

山下 久夫「平田篤胤の神話的思考 ―始祖を語る〈型〉―」

荻原 規子「わたしと日本神話 ―「空色匂玉」「白鳥異伝」が生まれるまで―」

三浦 佑之「人はなぜ古事記に魅入られるのか」

谷口 雅博「木国の大屋毘古神」

松田 浩「雉はなぜ射られたか ―アメワカヒコ神話の想像力と言語遊戯と―

保坂 達雄「「角鹿」というトポス 」

飯泉 健司「怒る神とトポス ―播磨国風土記・十四丘神話―」

大胡 太郎「帝国と神話 ―包摂される帝国・越境する神話―」

山田 純「「日下」をめぐる神話的思考 ―『古事記』序文の対句表現から―」

居駒 永幸「蜻蛉野遊猟歌と雄略神話 ―紀75に「口號」と記す意味―」

稲生 知子「光仁登極の<神話> ―『続日本紀』にとっての童謡―」

(2009年3月1日発行)

『古代文学』47号

〈特集 歌表現から開く古代 ―言葉の境界領域へ―〉
多田 一臣「景と心」

古橋 信孝「歌と抒情 ―ひらがな体の視点から―」

森 朝男「歌ぶりとしての<悲恋> ―泣血哀働歌からの発問―」

渡部 秦明「「しらべ」論の根拠」

猪股 ときわ「共震する音と意味と ―古代音楽用語としての「調べから」」

飯田 勇「律令官人の<性>から万葉歌の表現史を考える 」

久富木原 玲「手枕 …万葉から和泉式部まで」

高田 祐彦「掛詞の力  ―関係の創造と破壊―」

津田 博幸「漢字表現による破壊と創造 」

池田 三枝子「≪景≫のゆらぎ ―「喩」としての力―」

古舘 綾子「喩としての「霍公鳥」」

岡部 陸志「ミコトモチ的言語主体 ―「言語情調論」を手がかりに―」

西澤 一光「意味の非在へ―折口信夫「言語情調論」における末聞の「学」構築の試みをめぐって―」

清水 明美「和語と漢字表記 ―柿本人麻呂における歌語生成―」

尤 海燕「「物」と「心」 ―和歌の発生論」

松田 浩「「報凶問歌」の「筆不尽言」と一字一音の歌と―旅人にとっての歌とは何か―」


山本 大介「『日本霊異記』下巻第十九緑と「変成男子」の論理」

吉田 修作「託宣考 ―ことばの霊性から―」

(2008年3月1日発行)

『古代文学』46号

〈特集 古代文学研究の最前線〉
西澤 一光「<テキスト>に向かう道 ―<文字列>について―」

猪股 ときわ「『類聚歌林』の文字列と「歌」」

安藤 礼二「「霊性」の起源と折口信夫の霊魂観」

津田 博幸「可能性としての「霊性」」

中澤 克昭「野生の価値と権力 ―王朝の狩猟とその言説―」

北條 勝貴「樹霊に揺れる心の行方 」

丸山 隆司「<古代学>の言説空間 ─アイヌ・ヤマト・ウチナ─」

山田 純「「白燕」から見る天智称讃の方法  ―知識と技術から天意を読む治世―」


若月 絢子「万葉集三八〇四番歌考―「左注的題詞」から歌物語へ―」

太田 真理「笠金村「娘子に誂へられて作る歌」 ―相聞歌としての表現の特質とその意義―」

(2007年3月1日発行)

『古代文学』45号

〈特集 古代仏教とエロス〉
山口 敦史「善珠『梵網経略抄』から見る「婬」と「呪術」の認識 ―唐・新羅作成『梵網経』注釈との関連―」
猪股 ときわ「聖なる言葉と<エロス的言説> ―仏弟子天皇・称徳の宣命をめぐって―」
渡部 亮一「『日本霊異記』の慚愧と熏習 ―中巻第十三緑を考える―」
富樫 進「龍女成仏は「真言」となり得たか ―『梁鹿秘沙』注文歌をめぐって―」
久富木原 玲「尼姿とエロス ―源氏物語における女人出家の位相―」
一色 知枝「和歌における仏との出会い ―『発心和歌集』「方便品」歌の恋歌表現―」


三品 泰子「習書木簡にみる文字の縁 ―万葉集の縁字・対策文の俳句との関連から―」
松田 浩「献新田部親王歌一首の文字列 ―和漢を往還する書記言語―」

(2006年3月1日発行)

『古代文学』44号

〈特集 「生活」というまなざし―<民俗>的方法を介して―〉

上野 誠「橡の解き洗ひ衣―比喩と生活実感と―」

池田 三枝子「心を縫ふ―女性歌人の「衣」生活と歌―」

近藤 信義「自然と生活―古代和歌における生活の中の風、歌の中の風―」

居駒 永幸「へその紡麻と櫛笥―三輪山神話のことばと神話体験―」

岡部 陸志「日本霊異記が描く経済と人間」


吉田 修作「変容する託宣神―コトシロヌシ考―」

谷口 雅博「『播磨国風土記』「一云」「一家云」の用法」

古舘 綾子「巻六「授刀寮散禁歌群」考 ―聖武朝春日讃歌としての読み―」

保坂 秀子「『万葉集』の「泣く子なす」について」

(2005年3月1日発行)

『古代文学』43号

〈特集 拮抗と流動の古代文学―平安朝文学の胚胎としての8世紀―〉

久富木原 玲「儀礼と私宴―葛城王の歌語り―」

武田 比呂男「僧の境位と現報の語り―『日本霊異記』のめざしたもの―」

飯泉 健司「風土記と紀行文―「在」特殊例の表現性―」

飯田 勇「拮抗する日本の歴史言説―「氏文」を視点に文学史を検証する―」

古橋 信孝「歴史記述と伝承の想像力、そして文体―続日本紀から―」

東 茂美「負債としての文学―億良・道真と白詩について― 」

吉田 修作「遊行女婦再考―遊女前史に向けて―」

遠藤 耕太郎「歌の呪力と歌掛けの技―歌垣・問答・贈答―」

山崎 かおり「「大后」名がち大郎女考―古事記の安康天皇殺害事件を中心に―」

谷戸 美穂子「平安京の神功皇后―祟る山陵の物怪語り―」


三品 泰子「対策文「鳥獣言語」と九世紀の史官たち―言語に分節する技としての十二律・六十四卦・三十一文字―」

渡部亮一「奇事の配置―『日本霊異記』を書くという実践―」

(2004年3月1日発行)

『古代文学』42号

特集・古代文学の修辞を問う
猪股 ときわ「技としての書くこと―東アジアからみた修辞―」
多田 元「五七調成り立ちへの試論」
三品 泰子「『霊異記』にみる逆をつく譬え―仏教説話集における「譬喩」とは何か―」
林慶花「古代和歌の発想形式における序詞の位相―時調の意味構造を参考にして―」
清水 章雄「古代詩の繰り返しとオノマトペ」
池田 三枝子「神のことば・人のことば―歌謡・地名など―」


茶園 麻由「「吉野の童女」考―天女の誕生―」
谷戸 美穂子「『住吉大社神代記』神と地を領る縁起―平安京遷都と難波・住吉―

(2003年3月1日発行)

『古代文学』41号

〈特集・方法論の検証-古代文学の「読み」を保証するもの-〉
古橋 信孝「東アジア論の視点から」
佐藤 和喜「記紀歌謡表現論-磐姫物語の差異を読む-」
津田 博幸「<現場>論の視点から-その批判的検証を通して-」
西條 勉「磨耗するパラダイム-作家論とは何であったか-」
呉 哲男「万葉のジェンダー論-その批判的検証を通して-」


酒井 陽「「時人」の諸相-<ハナシ>を担う人々-」
三品 泰子「釈道顕の予言と「日本世記」-『日本書紀』本文と「日本世記曰く」の関係をめぐって-」
吉田 修作「道賢冥途記を読む-唱導・託宣・記述-」


例会500回記念シンポジウム<古代文学研究の新世紀へ>
 第一部「歌の生成と生態」
酒井 正子「「別れのことばかけ」とウタの生成-与那国島の葬送歌<みらぬ歌>に着目して-」
岡部 隆志「何故歌うのか-中国少数民族歌垣の事例から-」
猪股ときわ「歌の生成と生態-フィールドへ-」
第二部「歴史叙述と注釈」
阿部 泰郎「中世における歴史叙述と注釈-聖徳太子伝をめぐって-」
津田 博幸「史書の神学 日本紀講」
斎藤 英喜「生成する神話、越境する方法」
-シンポジウム「歴史叙述と注釈」をめぐって-
〈総括討論「古代文学研究の新世紀へ」〉
森 朝男「古代文学研究の今後について」
古橋 信孝「二〇世紀後半の文学研究の流れ」
保坂 達雄「シンポジウムを振り返って」

(2002年3月2日発行)